経営成績等の概況
1.当期の経営成績の概況
①当期の経営成績
わが国経済は緩やかな回復基調を維持しており企業景況感が改善したことから、株価も堅調に推移し、企業マインドも持ち直しの動きが見られる一方で、為替変動の影響や金利の上昇、労働需要の高まりによる労働力不足に加え、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の高騰や供給制約のリスクが顕在化するなど、景気の先行きは一段と不透明な状況で推移いたしました。
当社グループを取り巻く経営環境は、資材価格の高騰や調達期間の長期化、慢性的な労働力不足等に留意を要するものの、脱炭素関連分野への設備投資や原子力発電所の再稼働に向けた設備投資、また、生成AIの普及に伴うデータセンターの新設等による電力需要増加に対応した設備投資等により、総じて堅調に推移いたしました。
このような状況の中、当社グループは一昨年、2024年度中期経営計画(2024~2026年度)を策定し、「『人』を真ん中にした強くてしなやかなQ'dづくり」を基本方針に掲げ、重点課題に取り組み、的確な市場分析に基づく事業ポートフォリオの最適化と『人』を真ん中にした投資サイクルの好循環により、受注拡大と利益創出に努めました。
特に、国内各所の原子力発電所で再稼働に向けた安全対策工事が進捗している原子力分野、脱炭素化や省エネを目的とした設備投資が堅調な一般産業分野、長期脱炭素電源オークションやPPA(電力販売契約)の活用により事業化が進んでいる再生可能エネルギー関連市場等において、着実に受注を伸ばし、次期繰越工事高は過去最高となりました。
この結果、受注高は、原子力設備の安全対策工事、脱炭素化に向けた製鉄所の電気炉関連工事、全国で老朽化が進んでいる清掃工場の建替工事、公共施設の電気設備工事、公営水力発電設備の更新工事、バイオマス発電所のO&M(運転・保守)業務やLTSA(長期保守契約)業務、太陽光分野のオンサイトPPA設備工事や建設工事等の受注により1,065億93百万円(前期比16.5%増)となりました。
売上高は、福島第一原子力発電所の廃止措置関連業務、国内各所で展開している原子力発電所等の安全対策工事や保修工事、電力需要増加に伴う変電設備の新設・増設工事、蓄電池関連プラントの建設工事、火力発電所の保修工事や撤去工事、製油所への常駐化により増加した保修工事、太陽光分野のオンサイトPPA設備工事や建設工事等の進捗があったことから、830億83百万円(前期比22.7%増)となりました。
次期繰越工事高は、1,449億31百万円(前期比19.4%増)となりました。
利益面につきましては、売上高の増加に加え、前期から継続的に取り組んでいる採算性を重視した受注活動が着実に浸透していることや、生産性向上の取り組み等により、利益率が改善した結果、営業利益は47億37百万円(前期比77.8%増)、経常利益は為替変動に伴うデリバティブ評価益等の計上もあり、55億18百万円(前期比65.1%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、資産の効率化に向けた政策保有株式や賃貸不動産の売却による特別利益を計上した結果、42億87百万円(前期比47.9%増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
(設備工事業)
受注高は、グリーンエネルギー事業部門や原子力部門の増加により、1,011億14百万円(前期比18.3%増)となりました。売上高は、グリーンエネルギー事業部門やエネルギー部門、原子力部門の増加により、772億97百万円(前期比25.3%増)となりました。
セグメント利益は、106億88百万円(前期比155.7%増)となりました。
(その他の事業)
受注高は、58億2百万円(前期比4.3%減)となりました。
売上高は、61億10百万円(前期比0.0%減)となりました。
セグメント利益は、70百万円(前期比38.2%減)となりました。
②今後の見通し
今後の見通しにつきましては、労働需要の高まりによる労働力不足や物価上昇、為替変動の影響、金利の上昇傾向等に加え、中東情勢の影響を注視する必要があり、景気の先行きは不透明な状況が継続するものと予想されます。
これらを受けて、当社グループは、情報収集(国際インテリジェンス)の強化、複数のシナリオ想定、資機材調達手段の多様化等への取り組みを進めると共に、近年深刻化している企業に向けたサプライチェーン攻撃等のサイバーリスクについても、情報セキュリティの強化やレジリエンス対策等の取り組みを進めてまいります。
一方で、当社グループを取り巻く経営環境は、脱炭素関連分野への設備投資や原子力発電所の再稼働に向けた設備投資、また、生成AIの普及に伴うデータセンターの新設等による電力需要増加を背景に、電力供給インフラへの設備投資等が本格化しており、今後も良好な受注環境が続くものと見込んでおります。
このような状況の中、当社グループは2024年度中期経営計画(2024~2026年度)において『人』を真ん中にした投資サイクルの好循環を持続可能にしていくため、重点課題である「人材への投資による人的資本の強化」、「お客さまに選ばれるための「Q'd」の磨きこみ」、「当社に関わるすべての人・組織とのつながり強化」に取り組んでおります。最終年度である2026年度については、2027年度ROE8.0%達成に向け、特に技術力向上に向けた社員の早期育成や協力会社を含めた動員力確保等に注力してまいります。また、付加価値の高い技術ソリューション提案やグループ会社とのシナジーを発揮した受注活動等を通じて受注拡大を図ると共に、生産性向上等により更なる利益創出に努めてまいります。
次期の連結業績見通しにつきましては、
<連結業績>
売上高 95,000百万円
営業利益 7,300百万円
経常利益 7,500百万円
親会社株主に帰属する当期純利益 5,200百万円
を見込んでおります。
2.当期の財政状態の概況
① 資産、負債及び純資産の状況
当社グループの財政状態は、主に工事の進捗に伴って発生する売上債権や棚卸資産、仕入債務、工事前受金等によって変動いたします。また、固定資産のうち、土地・建物については、事業所、社宅・独身寮等を所有しており、その他の資産としてバイオマス発電設備、太陽光発電設備、工事用機械設備等があります。
a.資産の部
当連結会計年度における資産残高は1,193億29百万円となり、前連結会計年度末と比べて112億47百万円増加しております。これは主に受取手形、完成工事未収入金及び契約資産の増加によるものであります。
b.負債の部
当連結会計年度における負債残高は468億77百万円となり、前連結会計年度末と比べて72億22百万円増加しております。これは主に社債の増加によるものであります。
c.純資産の部
当連結会計年度における純資産残高は724億52百万円となり、前連結会計年度末と比べて40億24百万円増加しております。これは主にその他有価証券評価差額金の増加によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて20億39百万円増加の、96億87百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、47億6百万円の資金の増加(前連結会計年度は152億29百万円の資金の減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益及び未払消費税の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、9億31百万円の資金の増加(前連結会計年度は90百万円の資金の減少)となりました。これは主に投資有価証券の売却及び償還によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、36億71百万円の資金の減少(前連結会計年度は106億55百万円の資金の増加)となりました。これは主に短期借入金の返済によるものであります。
3.利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
利益配分については、中長期的な視点に立ち、安定した配当の継続を基本に、業績、内部留保の状況及び今後の事業展開への備え等を総合勘案したうえで、利益成長に応じた累進的配当の実施を目指すこととしております。内部留保については、経営基盤の強化や今後の事業拡大のための設備投資及び事業投資等の諸施策の展開に活用していく所存であります。
当期の配当金につきましては、上記方針及び株主さまへの利益還元を重視する観点から、期末配当金を、1株当たり35円とし、年間配当金では中間配当金28円と合わせた63円を予定しております。
なお、次期(2027年3月期)の配当金については、1株当たり77円(中間配当金38円、期末配当金39円)を予定しております。
■2024年度■2025年度
(単位 : 百万円 / *は予想)
| 年度 | 1Q | 2Q | 3Q | 通期 |
|---|---|---|---|---|
| 2025 | 15,645 | 34,283 | 56,237 | 83,083 |
| 2024 | 14,895 | 30,541 | 46,462 | 67,722 |
■2024年度■2025年度
(単位 : 百万円 / *は予想)
| 年度 | 1Q | 2Q | 3Q | 通期 |
|---|---|---|---|---|
| 2025 | 552 | 1,180 | 2,285 | 4,737 |
| 2024 | -367 | -249 | -12 | 2,665 |
1Q:第1四半期 2Q:第2四半期 3Q:第3四半期