2021.10.21
北海道厚真町における防災対応型蓄電池式太陽光発電設備工事の受注について ~「地産地防」に資するエネルギーマネジメントシステムを提案~
このたび当社は、北海道厚真町様より、『厚真町「地産地防」エネルギー6次産業化プロジェクト第2期工事関連設備導入事業』における2地点(こぶしの湯旧福祉施設跡地、富里浄水場)の太陽光発電所建設工事の設計・調達・建設(EPC)および同町で建設される5つの太陽光発電設備を一元管理するためのエネルギーマネジメントシステム(以下「EMS」)(※1)を一括受注いたしました。
本事業は、温室効果ガス排出を抑制するための再生可能エネルギーの導入による地産地消を推進するとともに、2018年9月に発生した北海道の大地震により甚大な被害を受けた経験から、防災機能の強化を目指しており、
「地産地防」の観点から、
・太陽光発電と大型の蓄電池を組み合わせることで、平常時だけでなく非常時にも活用することができる設備
・当社が施工する2地点(こぶしの湯旧福祉施設跡地・富里浄水場)に設置する太陽光パネルは、両面発電できる高出力高効率モデルを採用し、積雪時の反射光も有効活用
・富里浄水場では、「平常時」「非常時(停電時)」を切り替えるV2Xシステム(※2)を採用。平常時には施設全体の消費電力を調整、非常時には管理室の機能維持のため安定した電力供給ができるシステム
となっています。
〔当社が採用した蓄電池(米国のテスラ社製)〕

(イメージ図)
〔V2Xシステムの構成〕

また、本事業では、当社が提案したEMSが採用されました。
EMSは、太陽光発電設備が建設される同町の5つの地点に設置し、インターネット回線を通じて発電設備を監視し最適な制御を行います。停電時でも現地サーバーによって機能維持が可能となるシステムとなっています(蓄電池からの電力供給)。
このEMSの採用により、
・停電時でも遠隔操作による太陽光と蓄電池の制御
・気象情報を基にした最適な発電予測(発電・蓄電の制御)
・各地点の最適な需要バランスの調整に加えて、将来的には一般電気事業者が保有する送配電ネットワークを利用した電力の自己託送(自己消費)機能の追加
による5地点の一元的な発電設備の運用が可能となり、「地産地消」のみならず、本事業の目的である「地産地防」に資するエネルギーシステムの構築となっています。
〔EMSの構成〕

当社は、工事にあたり、安全を最優先に作業を進めていくとともに、地元企業のご協力をいただきながら、地域との共生を目指してまいります。
今後も、これまで培った知見・技術を活かし、地域防災にお役立ちできる提案型の営業展開を図ってまいります。
※1:EMS(Energy Management Systemの略)
電気、ガス、熱等のエネルギーの使用状況の見える化や設備の最適運用などを実現するシステム
※2:V2Xシステム(Vehicle-to-everythingの略)
電気自動車(EV)、太陽電池、蓄電システム、EV用充放電器で構成され、EVと建物や電力系統間で電力を融通する自家消費型エネルギーシステム