2020.10.07
大型変電所の塩害防止対策に当社の「水浸式配管減肉測定装置」が貢献 ~点検・保修作業の工期短縮とコスト削減効果~
当社が開発した大型変電所の配管点検用「水浸式配管減肉測定(インナーUT※)装置」が、大幅な工期短縮とコスト削減に貢献しております。
電気事業の基幹設備である変電所では、電気を絶縁するために数多くのガイシが使用されております。そのため絶縁低下をもたらす塩害の防止対策が、海岸部にある変電所だけでなく、内陸の変電所においても講じられております。塩害による絶縁低下を防ぐため、定期的に(台風などがあった場合はその都度)ガイシに付着した海塩粒子を大量の水で洗浄する必要があり、送水用配管の点検・保修は欠かせません。
これらの配管は比較的口径が大きいことから地中に埋設されており、そのため点検・保修時には配管周りの広範囲を掘削して行なわれてきました。現在もこのような工法が多く採用されております。
当社は、2009年にお客様から、効率的かつ効果的な配管点検方法のご相談をいただき、検査会社と共に検討を進めた結果、それまで配管外側で行なっていた点検を配管内側から実施することとし、そのための「水浸式配管減肉測定(インナーUT)装置」を開発いたしました。
装置の開発にあたっては、異なる内径の配管(入口、分岐部、本管)内をスムーズに移動させること、安定したデータ取得のため配管内部では測定センサーを常に配管の中心に保ちながら移動させることが課題でしたが、装置の支持部に内径に合わせて自動伸縮する機能をもたせることで解決することができました。
さらに、姿勢保持を容易にするため配管内は満水状態としたこと、巻取り速度は一定に保つように連動させたことによって、データを安定的に取得することが可能となり、小さな腐食も発見できる測定精度となりました。
また、測定データは記録装置に同時伝送し、腐食状態を現場でリアルタイムに確認できることになっております。
こうした特長を有した「水浸式配管減肉測定(インナーUT)装置」により、配管の腐食に対して、計画的かつピンポイントで保修することが可能となり、工期短縮とコスト削減を図ることができました。
装置開発以来、大型変電所3ヵ所で本装置を用いた点検が定期的に行なわれ、総延長3,000メートルの点検実績を有しており、測定状況に基づいた保全計画をお客様にご提案しております。
開発に携わった金川鐘泰(現・経営企画本部技術開発部上席専門職)は、当時を振り返り、「曲部や分岐部、異なる内径の配管をどのように進めていくか、正確に腐食状態を測定のためにいかにして装置を配管の中心位置で保つか、正確性を確保しつつ、いかにして効率よく測定するかなどの課題はありましたが、これらを一つ一つ解決して装置を開発することができました。今でも変電所の保全に貢献しており、開発者として大変喜ばしいことです」と語っております。
当社は、現場の状況やお客さまのニーズを捉えた技術開発に、引き続き取り組んでまいります。
※UT(超音波探傷検査)
高いエネルギーの音波を出して、腐食等の欠陥から返って来るエコーを捉え評価する非破壊検査の方法
(参考)点検口概要図と水浸管内システム
