2020.07.27
岐阜県高山市奥飛騨温泉郷における地熱発電所建設工事の完成について ~周辺環境に影響の少ない発電設備を設置~
当社は、岐阜県高山市奥飛騨温泉郷・新穂高温泉において地熱発電所(事業主:キツネパワー合同会社さま、定格出力49.9キロワット)の設計、調達、建設(EPC)を一括受注し、これまで建設工事を進めてまいりましたが、このたび工事が完成しお客さまに設備をお引渡ししました。
この地熱発電所では、温泉水を熱源として活用しており、熱交換器を介して加熱された媒体の蒸気により発電機を駆動させるパッケージ型バイナリー発電(注)方式が採用されています。周辺環境に与える影響が少ないという特徴があり、景勝地・観光地に配慮した発電設備となっています。
また、発電システムで使用した後の温泉水は、お客さまにより温泉施設へ供給され、こうした温泉熱のカスケード(多段階)利用よりエネルギーの有効、効率的利用が図られています。
当社は、わが国の地熱資源のポテンシャル(可能性)を踏まえ、再生可能エネルギーの活用、エネルギー効率的利用に向け、引き続き取組を進めてまいります。
〔発電所の全景〕
〇地熱発電所概要
・事 業 主 : キツネパワー合同会社
・発 電 所 名 : キツネパワー地熱発電所
(ベースロードパワージャパン株式会社が出資し、設立した特別目的会社)
・発電所住所: 岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂字巾平710-13
・定 格 出 力 : 49.9キロワット
・発 電 方 式 : バイナリー発電
・運 転 開 始 : 2020年6月2日(売電開始日)
〔注〕バイナリー発電
バイナリー発電とは、地中の熱水などを用いて、水よりも沸点が低い媒体を加熱し、これによって作られた高圧の蒸気によりタービンを回して発電を行う装置のことです。
基本的には、蒸発器、凝縮器、タービン発電機の3つの要素とこれらを結ぶ配管から構成されており、この配管の中を加熱された媒体が循環します。タービンを通過した媒体は、凝縮器で冷却されて液体となり、再び地中の熱水などの熱で気体となってタービンを通過するというサイクルになっています。